ヲタク考察

「昨日まで毎日いたのに…」急にいなくなるヲタクの心理

“急失踪ヲタク”の心理──その日、何が起きたのか

推し活を長年続けていると、さまざまなタイプのヲタクと出会います。
ライブや特典会に欠かさず参加する人、グッズやチェキを大量に集める人、遠征に情熱を注ぐ人……。
その中でも特に印象的なのが、「一気に火がついたヲタク」です。
彼らは短期間に驚くほどの情熱を見せ、ときに誰よりも熱く現場を盛り上げます。しかし、その情熱の反動として急に姿を消してしまうこともあります。

今回は、この「急に暴走しがちなヲタク」について考え、長く推し活を続けるためのコツをお話しします。

一気に火がつく瞬間

推し活には、人の心を一瞬で動かす力があります。

ある日ふと参加した現場で、推しのパフォーマンスに心を打たれ、「明日も行きたい」と思う。その勢いで次の公演も、その次も通い、気づけば週末はすべて推し活に費やしている―そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。

この「短期間で急加速する熱量」は、決して悪いものではありません。むしろ、グループや現場にとってはとてもありがたい存在です。現場が盛り上がり、メンバーも喜び、運営も助かる。しかし、加速が急すぎると、どこかでブレーキがきかなくなり、心身や財布に負担が積み重なってしまいます。

驚くほどの金額をつぎ込む心理

深くのめり込んだヲタクがやりがちなのが、「一気に大きな金額を使う」ことです。

・推しの生誕祭だからといってチェキを100枚撮影する
・遠征も含めて全通し、宿泊や交通費に毎週何万円もかける
・生誕イベントのクラウドファンディングに大口支援

その時は「これが自分の全力」と思って後悔していないかもしれませんが、後から振り返ると「なぜあんなに無理をしたのだろう」と冷静になる瞬間が訪れます。金銭的に追い込まれたり、仕事や生活に影響が出たりすると、急に現場が楽しくなくなってしまうのです。

短期間の情熱がもたらす疲労

短期間にイベントへ全通するのも、同じようにリスクがあります。現場に通い詰めている間は、毎日が非日常で楽しく、仲間と会える喜びも大きいでしょう。しかし、人間の体力や精神力は無限ではありません。

長時間のライブ、終演後の特典会、遠征の場合は長時間の移動。これを連日続けていると、睡眠不足や食生活の乱れが重なり、体調を崩す原因になります。結果として、突然パタリと現場に来なくなるヲタクも少なくありません。

そして厄介なのは、この「急にいなくなる」が周囲のヲタクや運営にとってもインパクトが大きいことです。昨日まで当たり前のようにいた人が、突然姿を見せなくなると、「何があったの?」と噂が広がり、時には現場の空気が少し重くなることもあります。

最悪はアンチ化するケースも

さらに深刻なのが、かつての情熱が反転して「アンチ」になるケースです。

・運営の対応に不満を持った

・推しに冷たい対応をされたと感じた

・思った通りの見返りが得られなかった

そんな出来事をきっかけに、SNSでネガティブな発信をしたり、現場で批判的な態度を取るようになる人もいます。熱量が高かった分、その反動も強くなりがちです。

もちろん、感じた不満を言葉にすることは悪いことではありません。ただ、そのエネルギーが推し活そのものを壊してしまう方向に向かうと、本人にとっても、周囲にとっても不幸な結果になってしまいます。

自分のペースで淡々と続ける大切さ

では、どうすればこの急な暴走や燃え尽きから自分を守れるのでしょうか。

一番のポイントは「自分のペースを守ること」です。

・金銭的な上限をあらかじめ決める
・行くイベントをあえて絞る
・体力に合わせて現場を選ぶ

こうした工夫をすることで、心や体に余裕を残したまま推し活を続けることができます。推し活はマラソンのようなもの。全力疾走だけでは長くは走れません。

また、「合わない」と感じたら、無理に通い続けないことも大切です。現場を離れるのは悪いことではありません。自分の生活と心を守るために、一度距離を置くことは立派な選択です。

離れたからといって、推しへの愛情が消えるわけではありません。むしろ、少し離れて客観的に見ることで、以前より落ち着いた気持ちで推せるようになることもあります。

おわりに

深くのめり込むヲタクほど、急に暴走してしまうことがあります。短期間で大金を使ったり、全通して体力を使い果たしたり、その反動で現場から姿を消してしまう人もいます。最悪の場合、かつての愛情が反転してアンチになってしまうことさえあります。

だからこそ、推し活は「淡々と、長く続ける」ことを意識するのがおすすめです。無理のないペースを保つことで、長期的に現場を楽しめますし、心も体も消耗しません。

推し活は本来、日常を豊かにしてくれるものです。自分をすり減らしてまで続けるものではありません。
長く推しと関わるために、自分のペースを大切に、無理のない範囲で楽しんでいきましょう。

今回も最後までご覧頂きありがとうございました。