イントロダクション
アイドルやアニメ、声優など、推しを応援する「推し活」は、人生を豊かにしてくれる素晴らしい趣味です。
しかし、だからこそ、夢中になっているうちに見落としてしまいがちな「大切なこと」も存在します。
自分自身、20年以上にわたって声優・アイドル現場に通い、数え切れないほどの演者の方を見てきました。
その中で、嬉しい出会いも、突然の別れも経験してきました。そして最近、とくに強く感じるのが「推し活は永遠ではない」ということです。
今回は、そんなヲタク人生を歩んできた中で痛感した、「推し活で絶対に忘れてはいけない3つのこと」について、皆さんにお伝えしたいと思います。
推しと現場は“いつまでも存在しない”という事実
「えっ、もう卒業?」「えっ、このグループ解散なの?」──。
こうした経験は、長くヲタ活をしていれば、誰もが一度は通る道。
どれだけ人気があるグループや個人であっても、アイドルという職業には“終わり”がつきものです。
推しが突然活動休止を発表したり、グループが解散するという知らせを受けた瞬間、世界が一変したような感覚になることもあるでしょう。
特に推し活を始めたばかりの頃にこの現実に直面すると、精神的に大きなダメージを受けることがあると思います。
「あの時、もっと会いに行っておけばよかった」「あのライブ、行けたのに。。。」
──そんな後悔をしてきた方を多数見てきました。
だからこそ、改めてお伝えしたいのは、「今この瞬間を大切にする」ということです。
イベント一つ、チェキ一枚、短い会話であっても、それが“貴重な今”です。いつか来る“その日”に後悔しないように、
自分のペースで構いません。行けるときは行って、伝えられることは伝えること。それが、ヲタクとしての誠意であり、自分の心を守る行動でもあります。
お金は気を抜くと一瞬でなくなる
ヲタ活におけるもう一つの落とし穴、それは「お金の管理」です。
現場に通うための交通費、チケット代、グッズ代、そして今や定番となった特典会のチェキ代……。
楽しいからこそついつい財布の紐が緩んでしまいがちですが、気づいた時には給料日を待たずして残高がゼロ、なんてことも珍しくありません。
特に最近では物価上昇の影響もあり、イベント自体のコストも年々上がっています。
大切なのは「自分でコントロールできる範囲を超えないこと」です。
自分が実践している方法としては、家計簿アプリで“ヲタク費”という項目を作り、あらかじめ月に使う上限を決めておくこと。
現場が立て込む月は前もって他の支出を抑えたり、逆に今月は少なめにして翌月に備えたりと、調整が効くように工夫しています。
楽しいヲタ活を長く続けるためには、お金と冷静に付き合うことが必要です。目先の楽しさに流されず、「この金額で後悔しないか?」を自分に問いながら使っていく。それが、“継続できるヲタク”になるための第一歩です。
若さはなくなってから後悔する
長年推し活をしていると、若さのありがたみを肌で実感する場面がいくつもあります。
自分のようにヲタ芸をするスタイルのヲタクにとって、体力はまさに資本。20代の頃は、夜行バスで遠征しても平気で現場に立っていました。
しかし、30歳を過ぎた頃から、明らかに体のキレが変わってくるのを感じました。
28歳で「ん?」と感じ、32歳で「これは明らかに違う」と確信しました。年齢による“見えない壁”は、確実に存在します。
若いうちに無理をした代償が、10年後に一気にくることもあります。腰、膝、内転筋……体のあちこちに疲労が蓄積されていきます。
とはいえ、年齢を重ねたからこそできる楽しみ方もあります。大切なのは、体力が落ちてきたと気づいた時に「対策をする」ことです。
・普段からストレッチや筋トレを習慣にする
・イベントの前日はしっかり睡眠を取る
・マッサージや整体に定期的に通う
こうした対策をしておくだけで、年齢を重ねても“動ける身体”をキープすることができます。
ヲタ活を長く続けていくには、何より“自分の体”との付き合い方がカギになります。
「あの頃みたいに無理が利かなくなってきたな」と思った時が、ケアの始めどきです。
一貫して言えるのは、「今を大切にすること」
ここまで紹介した3つのこと──「推しは永遠ではない」「お金は計画的に」「若さは貴重」──に共通するのは、
「今しかない時間をどう使うか」というテーマです。
楽しい現場、仲間との会話、推しとの交流。そのすべてが、いつか必ず「思い出」に変わる日がやってきます。
だからこそ、「後悔しないヲタ活」を意識してほしいのです。
「もっとあの時、楽しんでおけばよかった」
「無理してでも、あのライブ行けばよかった」
「ちゃんと体のケアをしておけばよかった」
そう思う前に、自分の中に“今を大切にする心”を持ち続けること。
それが、ヲタクとして、人生をより豊かにする最大の秘訣なのではないかと、自分は感じています。
おわりに
推し活は素晴らしい趣味であり、生きる原動力です。
だからこそ、夢中になれるこの時間を、後悔のないものにするために、自分自身にも目を向けてみてください。
推しは今、目の前にいます。あなたは今、動ける身体を持っています。
そして、次の現場へ行くための手段も、手元にあります。
「今を大切にするヲタク」こそが、最強だということを最後に強くお伝えします。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。