イントロダクション
SNSが発達した現代において、最近とくに目につくようになったものの一つに「お気持ち表明」があります。
もちろん、こうした発信自体は今に始まったことではありません。しかし、体感としてはここ数年で明らかに増えており、タイムラインを開けば、何かしらの不満や違和感、怒りや悲しみが言葉となって流れてくる、
そんな光景が当たり前になりました。
その影響もあってか、現場で思いきり湧いているヲタクや、新しいことに挑戦しようとするヲタクが減ってきていると感じる場面も少なくありません。
声の大きな意見が可視化されやすくなったことで、無意識のうちにブレーキがかかってしまっている方もいるのではないでしょうか。
では、そうした「お気持ち表明」を見聞きしたとき、我々はどのように向き合えばよいのでしょうか。
今回は、「お気持ち表明をスルーする」という選択について、自分なりの考えを整理し、お伝えしたいと思います。
お気持ち表明は悲鳴である
自分が長年ヲタクとして現場に立ち、SNSを眺めてきた中で、毎回感じていることがあります。
それは、お気持ち表明というものは、多くの場合「言っている本人の心の悲鳴」である、ということです。
フロアという空間には、本当にさまざまな人が存在しています。
価値観も、経験値も、スタンスも違う人たちが同じ場所に集まる以上、摩擦が生まれるのは避けられません。
それは大きな衝突であることもあれば、ほんの些細な違和感であることもあります。本来であれば、その場で飲み込み、やり過ごすことも一つの選択肢です。
しかし、その摩擦に耐えきれなかったとき、人は現場を離れ、SNSで言葉を吐き出します。
それが「お気持ち表明」という形になるのだと、自分は感じています。
現代は、テレワークや便利なツールが普及し、人と深く関わらなくても生活が成立する時代です。
その分、他者との摩擦を経験する機会は減り、「摩擦は少ないほうが良いものだ」という感覚が強くなっているようにも思います。
だからこそ、ひとたび違和感を覚えると、それを処理しきれず、外に向かって発信してしまう。
自分には、その姿が「責め」よりも「悲鳴」に近く見えるのです。
スルーする、という選択
では、そうしたお気持ち表明を見聞きした我々は、どうするべきでしょうか。
自分の答えは非常にシンプルで、「スルーする」という選択です。もっとも、これは簡単なようで、実際にはなかなか難しいものでもあります。
心がざわついたり、言い返したくなったり、「自分は違う」と主張したくなることもあるでしょう。
だからこそ、スルーするために意識しておきたいポイントがあります。
疲れているときにSNSを見ない
まず一つ目は、「疲れているときにSNSを見ない」というルールを自分の中で持つことです。
人は疲れているとき、判断力が鈍り、衝動的になりやすくなります。普段であれば気にならない投稿に、強く反応してしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
特に、仕事やイベントが続いた後、心身ともに消耗している状態でお気持ち表明を目にすると、必要以上に引きずられてしまうことがあります。
そうした事態を防ぐためにも、「疲れているときは見ない」というシンプルなルールを設けることは、とても有効だと感じています。
他の現場のリアルを知る
二つ目は、「自分がいる現場以外のリアルを知る」ということです。自分自身、長くヲタクを続けてきましたが、他の現場を見たとき、その価値観や空気感の違いに驚かされることが何度もありました。同じ「趣味」や「界隈」であっても、常識や許容範囲は驚くほど異なります。
自分のいる場所だけを基準に物事を考えていると、どうしても視野は狭くなります。しかし、少し外に目を向けるだけで、「自分が悩んでいたことは、この世界の中では本当に小さな出来事だったのかもしれない」と気づくことがあります。
そうした視点を持つことで、声の大きな意見に過度に振り回されることは減っていきます。
初心を思い出す
三つ目は、「初心を思い出すこと」です。
長く続けていると、人はどうしても惰性になります。
最初は純粋に「推しが好き」「楽しいから」という理由で始めたはずなのに、いつの間にか別の目的にすり替わってしまうこともあります。その心の隙間に、雑音や周囲の声が入り込みやすくなるのです。だからこそ、「自分は何のためにイベントに参加しているのか」「何が楽しいのか」を定期的に見直すことが大切だと、自分は考えています。
自分の軸がはっきりしていれば、他人の言葉に過剰に反応することは少なくなります。
結論
長くヲタクをしてきた中で感じるのは、声の大きなヲタクは、どの時代にも一定数存在し続ける、ということです。
そして、その多くは、ある時ふっと現場から姿を消していきます。そうした存在に気を取られ続けることは、自分の大切な時間やエネルギーを奪う行為でもあります。
今回お伝えしたかったのは、
「無理に戦わない」「無理に理解しようとしない」ための、スルーするという心の持ち方です。
この文章が、少しでも皆さまの参考になれば幸いです。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

