はじめに
最近、Xのタイムラインを眺めていると、「楽しそうに現場を満喫しているヲタク」が本当に多いなと感じます。
たとえば、推しのアイドルがコンカフェに戻ってきて、ビンタされて満足げな表情を浮かべている方や、現場で全力でヲタ芸を打っている方など、皆さんそれぞれの楽しみ方で高まっている様子を見かける機会が増えました。
その一方で、毎回現場の不満や愚痴ばかりをSNSでつぶやいている方もいらっしゃいます。
中には、特典会で暴言を吐いて出禁になったという話を耳にすることもあります。
同じようにイベントに参加しているはずなのに、どうしてここまで“楽しめる人”と“楽しめない人”で差が出るのでしょうか。今回はその違いについて、自分の経験も交えながら丁寧に掘り下げてみたいと思います。
楽しみ方には向き不向きがある。でも、上達できます
まず結論として、自分はこう考えています。
楽しみ方には向き不向きがあります。
ですが、工夫や経験を積むことで上達していくものでもあります。
何が楽しいと感じるかは人それぞれで、十人十色です。
自分のようにヲタ芸の追求に生きがいを感じるヲタクもいれば、推しとのチェキ撮影が何よりの楽しみという方、カメラで推しを撮影することに情熱を注ぐ方など、本当に様々です。
ですが、こういった「自分に合った楽しみ方」は、最初から明確にわかっているものではないと感じています。
いろいろな現場を経験しながら、少しずつ見つかっていくものではないでしょうか。
「イベントがなかった」あの時代
自分の場合、若い頃にはそもそも「イベントに参加する」という文化自体が身近にありませんでした。
初めてイベントという存在を知ったのは、13歳の頃です。当時はまだインターネットも普及しておらず、チケットぴあも電話で予約を取る、コンビニでチケットが買えるような時代ではありませんでした。

情報を得る手段といえば、雑誌や深夜ラジオくらい。
夜更かしして、ラジオから得た情報をメモしていたことを今でも覚えています。
そんな環境で育った自分にとって、今のように毎週のように地下アイドルイベントが開催されている状況は、本当に恵まれた時代だと思っています。
たとえイベントの内容が思ったものと少し違っていても、
「イベントがあるだけで幸せ」という気持ちがあるので、満足度は下がりません。
遊び方を教えてくれた“先輩ヲタク”
また、自分がイベントをこれほど楽しめるようになったのは、先輩ヲタクの存在が大きかったと思っています。
声優現場に通い始めたころ、ほぼ毎週のようにご一緒していた方がいらっしゃいました。その方は年上で、イベントが今ほど多くなかった時代の話をよく聞かせてくださり、
「今って本当にイベントが多くて幸せな時代だよね」とよく語り合っていました。
その方と約2年間、毎週のようにイベントに参加していたことが、自分にとって「現場の楽しみ方の基礎」になっています。
気づけば、その方から無意識のうちに“遊び方”を学んでいたのだと思います。
楽しむことは一種の「スキル」
最近は特に、「イベントを楽しむ力は、一種のスキルかもしれない」と感じています。
現場でいつも楽しそうにしているヲタクを観察して、
「これ、良さそうだな」と思ったことを自分なりに取り入れてみる。そんなふうに、少しずつ試行錯誤していく中で、自分にとっての高まり方が育っていくのだと思います。
少し話は逸れますが、eスポーツの世界でも、
最初は勝ち負けだけを意識していた人が、経験を積むことでそのゲーム自体の奥深さや楽しさに気づくようになります。
イベントもまさに同じです。いろんな現場を体験し、時には失敗したり思わぬ出来事に出くわしたりしながら、
少しずつ楽しみ方の“幅”が広がっていくのではないでしょうか。
SNSよりも、現場に足を運び続けること
自分はこれまで16年間、イベントに参加し続けてきました。ここまで長く続けてこられたのは、やはり現場が楽しいからです。
そして、この「楽しさ」をさらに伸ばしていくための一番の近道は、SNSでリプライを送ることでも、配信を観ることでもなく、現場に足を運び続けることだと信じています。
今は情報が溢れている時代です。
つい、人と比べてしまったり、自分はうまく楽しめていないのでは…と感じてしまうこともあると思います。
自分自身も、見たり聞いたりする情報は必要最低限にし、
「行ける現場にはできるだけ足を運ぶ」ということを
意識するようにしています。
おわりに
最近では、SNSや動画を通して“楽しんでいる様子”が
よりリアルに伝わってくるようになりました。
だからこそ、「自分は楽しめていないのではないか」
と感じてしまう方もいるかもしれません。
でも、そういうときこそ、ぜひ現場に足を運んでみてください。推しを直接見たり、ヲタ芸を打ったり、グッズを買って帰ったり──
「自分の好き」を自分のペースで味わうことが、何よりのリセットになるはずです。

そして、いつか現場で皆様とお会いできる日を楽しみにしています。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。