ヲタク考察

DD(誰でも大好き)という選択 ~変化の時代を生き抜くヲタ活術~

はじめに


「DDなんて浮気者だ」「一人の推しに集中すべき」

そんな言葉を、過去に一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。自分がアイドル現場に参加する様になった頃はこの考え方は当たり前に存在していました。

しかし、時代は流れ、現場も変化しました。そして気づけば、自分自身も“DD的な活動”を自然と行うようになっていたのです。

今回は、そんな変化の中で得た実感をもとに、「DDというスタイルの良さ」「続けやすさ」についてお話ししていきます。
これまで一人の推しにこだわってきた方や、最近現場に疲れを感じ始めた方にこそ、読んでいただきたい内容です。

変化が激しい時代にはDDが向いている

自分がアイドル現場に足を運ぶようになって、気がつけば17年が経ちました。

当時は、今のような大規模なライブハウスではなく、狭い会議室のような場所で、手作り感満載のイベントが多く行われていました。チェキもなく、接触といえば握手か、少しの会話程度。グッズも数えるほどしかなく、「応援の手段」自体が限られていたのです。

そこから数年。グループ数は爆発的に増え、現場は“星の数ほど”と表現しても過言ではないほどに多様化しました。出演者の入れ替えも激しくなり、卒業・加入・異動といった「新体制」も頻繁に行われています。

この変化の激しさは、アイドルだけでなく、演者全体に言えることです。プロレスラー、声優、舞台俳優。誰もが何かしらの“ステージ”を持ち、活動の幅を広げている時代です。

だからこそ、「一人にこだわる」よりも「良いと思ったら応援する」スタンスの方が、今の時代には合っているのではないかと感じています。

SNSの普及が追い風に

もうひとつ、DDを後押しする要素として大きいのが、SNSの存在です。

X(旧Twitter)、Instagram、TikTok、YouTube。今や演者たちは自らの魅力を、日々積極的に発信しています。

ひと昔前は、「気になる子がいても、どんな活動をしているか分からない」「どこで会えるのか情報がない」という状況が当たり前でした。しかし現在は、少し調べれば、ライブ予定や特典会情報、SNSでの発信内容など、ほとんどのことが分かります。

情報の多さは、時に迷いにもつながりますが、それ以上に「出会いのチャンス」を大きく広げてくれます。

「この子、面白いな」「このパフォーマンス、カッコいい」

そんな“直感”を信じて動ける今の環境は、非常に恵まれていると感じます。そして、その直感に素直になることこそが、DD活動の醍醐味でもあるのです。

いいと思ったら行った方が身体にいい

ここまで「DDが時代に合っている理由」を述べてきましたが、最も大事なことは「我慢しないこと」だと考えています。

現場に行きたいと思っているのに、「DDと思われたくない」「推しが見たら嫌がるかも」といった理由で足を止めてしまう。これは、精神的にも身体的にもよくありません。

何よりも、今の時代には「推し活」というポジティブな言葉が浸透しています。推し活は、“元気の源”“心の栄養”といったイメージを持たれるようになってきました。

ならば、心が惹かれる場所へ、自分の足で赴くことが、健やかな推し活なのではないでしょうか。

「行ってよかった」「今日は気持ちよく叫べた」

その一日があれば、次の日からまた、元気に過ごすことができます。

DDには“副作用”もある:お金と健康に注意

とはいえ、DDにもデメリットがないわけではありません。

それは「お金」と「健康」、この二つです。

まず、推しが複数になると、当然ながらその分だけ費用がかさみます。ライブチケット、グッズ、交通費、特典会でのチェキ代…。一回一回は小さくても、積み重なれば大きな出費となります。

また、様々な現場に参加するようになると、週末がすべて埋まり、休む時間が減っていく傾向にあります。睡眠不足が続けば体調にも影響が出ますし、「イベントに行かなきゃ」という焦りから、本来の楽しさを見失ってしまうこともあります。

この問題に対して、「明確な正解」はありません。

だからこそ、自分自身としっかり向き合い、「ここまでなら無理せず楽しめる」というラインを意識しておくことが大切です。月にいくらまで、週に何回まで、遠征は何ヶ月に一度だけ―。そんな“自分ルール”を作るだけでも、ずいぶん楽になります。

DDというスタイルは、幅広く応援できる分、コントロールが難しくなる側面もあるからこそ、意識的に“引き算”をする力も大事なのです。

終わりに

かつて「DD」はどこかネガティブに捉えられがちな言葉でした。「節操がない」「浮気性」といった印象を持たれた方もいたかもしれません。

しかし今、推し活は社会的にも受け入れられ、市民権を得た活動となりました。そして、数えきれないほどの演者やグループが存在するこの時代において、一人に絞らず、気になったら応援する―そんな柔軟なスタイルが自然になってきていると感じます。

もちろん、ひとりの推しをずっと大切にするのも素晴らしいことです。ですが、広く好奇心を持ち、出会いを楽しみ、心の栄養を豊かにしていくこともまた、これからのヲタ活を長く続けるコツのひとつだと思います。

自分に無理のない範囲で、心が動いたその瞬間を大切に。DDという選択が、皆さまの現場ライフをより彩りあるものにしてくれることを願っています。

今回も最後までご覧頂きありがとうございました。

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