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職場でヲタクを公言しないという選択 ~推し活の自由を守るために~

はじめに

推し活という言葉が世間に広まり、テレビや雑誌、SNSでも当たり前のように使われるようになった現在。

かつて「隠すもの」だったヲタク趣味は、徐々に市民権を得てきたように見えます。

一昔前なら「アイドルが好き」と言えば変な目で見られたり、「オタク=暗い」というイメージで見られることも珍しくありませんでした。

しかし最近では、スマホゲームの普及やアニメ・声優の人気、VTuberなどの影響もあり、幅広い層が気軽に推し活を楽しむ時代になっています。

とはいえ、「じゃあ堂々とヲタクであることを職場で話していいか?」というと、そこにはまだ慎重さが求められる現実が存在します。

今回は、「職場でヲタクであることを公言しない」という選択が、なぜ有効なのか、そしてその裏にあるリスクと自衛策についてお話しいたします。

偏見は減った。けれど“ゼロ”ではない

確かに、社会全体としては「ヲタク趣味」への偏見はかなり少なくなったように感じます。

たとえば、地下アイドルのライブに通うこと、声優イベントに行くこと、ライブ遠征で土日を潰すこと、さらにはアニメをリアルタイムで追いながらXで実況することなど、今ではごく普通に行われています。

自分が参加し始めた頃は偏見の目が強かった記憶があります。当時の上司にどんな行ってるの?、テレビに出たりしてるのか?など根堀葉掘り聞かれたことも昔の話。

今では深く追求されることは殆どなくなりました。

しかし―それでも、すべての人が好意的に受け取ってくれるわけではないのです。

・「ヲタクってお金かかるんでしょ?」

・「ライブのために休むって…ちょっと社会人としてどうなの?」

・「アイドルに本気になってるって、ちょっと引くかも」

こうした反応は、残念ながら今一定数存在しています。

特に年齢層が上の方や、ヲタク文化に馴染みがない職場環境では、「軽い冗談」のつもりで心ない一言を投げかけられることもあるのです。

有給取得の理由が“推し活”だと通らない?

最も現実的な問題だと、有給休暇の取得理由にあります。

本来、有給は労働者の権利であり、理由を伝える義務はありません。とはいえ、実際の職場では「何のための休みか」を曖昧にできない空気があることも多いものです。

たとえば、週末のライブ遠征で金曜日に休みたい時、正直に「推しのイベントがあるので」と伝えるのは、勇気が要ります。そして、場合によってはそれが“ふさわしくない理由”とみなされ、許可されないというケースすら耳にします。

「法的には問題ない」と分かっていても、実際には上司の裁量や職場の雰囲気に左右されるのが現実です。

中には、「どうしてもその日に行きたかったのに、有給を断られてチケットを泣く泣く手放した」というヲタクの声もあります。

そうした現実を考えると、“ヲタクであることを公言しない”という選択は、推し活の自由を守るための現実的な自衛策なのです。

公言しないことで得られる自由

職場でヲタク趣味を話すかどうか――これは、その人の性格や立場、職場の文化によっても異なります。

ただひとつ言えるのは、「言わないことで得られる自由は確実に存在する」ということです。

・有給の理由を深く詮索されずに済む

・推しが変わっても説明不要でいられる

・推しの話題が社内に広がることによる気まずさがない

・現場でのテンションと仕事のテンションを切り離せる

推し活は、あくまで“自分のためのもの”です。他人に理解を求めるものではありませんし、共有しないと成立しないものでもありません。

むしろ、プライベートと仕事をきっちり分けておくことで、メンタル面の安定や、職場との適切な距離感を保つことができるのです。

もし話すとしたら、“趣味レベル”でぼかすのが◎

とはいえ、職場の人間関係によっては「多少は話しておいたほうが、スケジュール調整しやすい」「隠しているのもストレスになる」と感じる場面もあるかもしれません。

その場合は、趣味の話として軽く触れる程度にとどめるのが無難です。

たとえば―

「週末は地方に旅行に行くのが趣味でして」

「ちょっと音楽が好きで、イベントによく行ってるんです」

「演劇やパフォーマンスを観るのが好きで」

このように、“推し活”とは明言せず、ふんわりとした表現でぼかしておくと、相手も深追いしませんし、自分自身も楽です。

一方で、「毎週遠征してます!」「○○ちゃんのことしか考えられません!」といった熱量をそのまま出してしまうと、相手が引いてしまったり、無理解な反応をされる可能性もあります。

相手や状況をよく見て、話す範囲を自分でコントロールすることが大切です。

おわりに:“黙って楽しむ自由”を大切に

「なぜ趣味を隠さなきゃいけないのか?」

そう思う気持ちも、よく分かります。好きなことを堂々と語れたら、どれだけ楽だろうとも思います。

しかし、それが原因でイベントに行けなかったり、評価を落とされたりしてしまうのであれば、本末転倒です。

個人的にはヲタクというスタイルは、“静かに燃える”人たちの集合体だと考えます。

ヲタクの間では熱く語り、現場で全力で盛り上がる。でも職場では、何食わぬ顔で淡々と仕事をこなす―そんなギャップを持つことこそ、ヲタクの真骨頂なのではないでしょうか。

職場でヲタクを公言しないというのは、逃げではなく「守り」です。

そしてそれは、あなたの推し活をより長く、より自由に続けていくための、大切な選択肢であると考えます。

これからも、心の中に推しを抱きながら、日々を健やかに過ごしていきましょう。

現場では攻め、職場では守りを重視することをお忘れなく。

今回も最後までご覧頂きありがとうございました。

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