イベント考察

なぜイベント情報はギリギリなのか?~ヲタク17年目の目線で解説します~

イントロダクション

最近、アイドル現場やフェスの情報が「直前まで出ない」ことが増えているように感じます。
ファンとしては予定を立てづらく、遠征の準備も難しい。
運営側にも事情があることは理解しつつも、「もう少し早く教えてほしい」と思う瞬間は多いと感じます。
今回は、そんな“スケジュールがギリギリまで出ない問題”について、自分なりの視点で考察してみたいと思います。

スケジュールが先出しされる現場は推しやすい

まず結論から言うと、スケジュールを早めに発表してくれる現場は圧倒的に推しやすいです。
特に遠征を伴うイベント―たとえば急な海外遠征や沖縄でのライブなどでは、その差がはっきりと出ます。飛行機代や宿泊費が高騰している昨今、数週間早く情報が出るだけで出費が何割も変わってくることがあります。

自分が見てきた中でも、「早めに遠征情報を出す運営」ほど人気があり、リピーターが多い印象です。
それは単純に費用の問題だけでなく、「ファンの生活を理解してくれている」という信頼感にもつながっているのだと思います。
結果として、そういった現場は活気があり、ファンの満足度も高く、自然と盛り上がりやすい空気が生まれています。

タイテ非公開という衝撃

先日、とあるフェスで「タイムテーブル非公開」という形式が話題になりました。
自分はこれまで17年間、さまざまな夏フェスに通ってきましたが、この表記を見たのは初めてで、正直少し衝撃を受けました。
最終的には批判の声を受けて公開される流れになったのですが、この出来事から、主催者と参加者の間にある“温度差”を改めて感じました。

主催者側からすれば、「来てからのお楽しみ」「全ての演者を見てほしい」という狙いがあったのかもしれません。
しかし参加者としては、どのアーティストを見たいかを基準に予定を組むため、タイムテーブルが出ないと動きようがありません。
フェスというのは“体験”の集合体ではありますが、その体験をよりよくするためには、ある程度の事前情報が必要です。
「タイテ非公開」は挑戦的な試みではありましたが、現場の現実とは少し噛み合っていなかったように思います。

地下アイドル現場の「遅さ」

こうした話題に触れると、どうしても思い出すのが地下アイドル現場のスケジュール発表の遅さです。
毎年開催が予想されるような大型イベントでさえ、発表が半年前に出ることはまれです。
さらに、タイムテーブルが出るのは1週間前というのも日常茶飯事。中には3日前というケースもあります。

もちろん、運営側にも事情があるのは理解しています。
出演者のスケジュール調整や、会場側との契約、スポンサー関係など、発表できない理由は多いでしょう。
しかし、それでも「早く知りたい」と願うファンが多いのは事実です。
実際、自分の発信を通じて感じるのは、この“情報の遅さ”によって得をしている人がほとんどいないという現実です。

ヲタク側の言い分 ― 早い方が助かる理由

ここで一度、ヲタク側の立場から整理してみましょう。
早く情報が出てくれると助かる理由は、主に三つあります。

① 日程を決めやすい

今の時代、イベントは週末ごとにいくつも重なっています。
どの現場に行くか迷う中で、スケジュールが先に出た方を優先するという“マイルール”を持つ人も多いです。
つまり、早く発表した現場が“選ばれる”確率が高くなっている印象にあります。

② 宿の確保がしやすい

遠征するファンにとって宿の確保は大問題です。
以前は1泊数千円で泊まれたビジネスホテルも、いまや観光需要の影響で価格が高騰しています。
早めに予定がわかれば安く予約できますが、発表が遅れると満室続出、
あるいは高額な宿しか残っていないという状況になりがちです。
とくに地方から都市部に遠征するファンにとって、これは死活問題です。

③ 交通手段の確保

最近はインバウンド需要の影響で、新幹線や飛行機も常に混雑しています。
チケットの早割や指定席の確保を考えると、
イベント情報が出るのが1週間遅れるだけで、交通費が倍近くになることもあります。
「あと3日早ければ安く行けたのに」という声は、現場で何度も耳にしてきました。

こうした理由からも、ヲタクとしては“早い発表こそ正義”と感じてしまうのです。

運営側の事情 ― ギリギリまで考えたい

一方で、運営側にもギリギリまで発表できない事情があります。
出演者のスケジュール調整、会場側との最終確認、キャンセルのリスクなど、判断を急ぎたくてもできない理由が山ほどあるのです。

また、箱(ライブハウス)側から「まだ発表しないでほしい」
と言われるケースもあると聞きます。
特に複数イベントが同日開催される場合、他イベントとの兼ね合いもあり、
早期発表が難しいというのも理解できます。
さらに、発表後にキャンセルが出た場合のリスクを考えれば、慎重にならざるを得ないというのも正直なところでしょう。

こうした背景を踏まえると、単純に「運営が悪い」とは言い切れません。
双方に事情があり、どちらか一方の都合だけで解決できる問題ではないのです。

それでも「早めの発表」はみんなの得になる

とはいえ、全体の流れを見れば、やはり早めの発表は“みんなの得”につながると思います。
ファンは安心して準備ができ、運営は集客がしやすくなり、結果的にイベント全体の満足度が上がります。
発表が早ければ「その日を空けておこう」と予定を確保する人も増え、
キャンセルリスクの軽減にもつながります。
また、ファンがSNSで「○○のライブが決まった!」と拡散する時間も長く取れるため、宣伝効果も大きい。

つまり、“早く発表する”ことは運営の善意ではなく、結果的に経営的にもプラスになる行為だと感じます。
もちろん、すべての事情を加味して即時発表できるわけではありませんが、
「できる限り早く」という意識を持つだけでも、現場全体の印象は大きく変わると感じます。

おわりに

イベント発表のタイミングは、主催者にとってもファンにとっても永遠の課題かもしれません。
しかし、どちらの立場にも“相手を思いやる視点”が少しずつ増えていけば、
この問題は少しずつ改善していくと信じています。

推しを応援する側も、イベントをつくる側も、
「現場をより良くしたい」という気持ちは同じはずです。
その想いが噛み合ったとき、現場はもっと楽しいものになると思います。

今後も各運営が、少しでも早く、少しでもファン思いの発表をしてくれることを願いながら。
そして、自分自身も、そんな現場に通う一人として、リアルな声を届けていきたいと思います。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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