近年、ライブアイドルの現場で強く感じることがあります。
それは、ファンが「また会いたい」と思うアイドルには、歌やダンス以上に“人としての魅力”があるということです。
かつては「歌がうまい」「ダンスがすごい」「顔がかわいい」といった要素が人気の中心でした。
しかし、令和の時代において、こうした表面的な要素だけでは十分とは言えません。今、求められているのは“人間性”です。
そして、そこにこそアイドルの本質的な魅力があるのではないかと自分は思っています。
SNSや特典会が距離を縮めた時代
今やSNSや特典会を通じて、アイドルとファンの距離は格段に近くなりました。
数年前であれば考えられないほど、日常の一コマをアイドル自身の言葉で届けてくれるようになり、
ファンとの距離がグッと縮まりました。
その分、ファンがアイドルの人柄や日頃の言動に敏感になる時代になったとも言えます。
例えば、特典会での対応ひとつ。握手の仕方、言葉遣い、目線、そして何より「ありがとう」と伝えるその表情に、
アイドルの本質が滲み出ます。
また、SNSでの発信も重要なポイントです。日常の中で周囲への感謝を忘れず、
ファンに対しても丁寧な言葉で接する姿に、こちらも心を打たれます。
もちろん、全てをさらけ出す必要はありません。ですが、その人の内側からにじみ出るもの。
それが「人間性」として感じ取られ、ファンの心に残るのです。
「また会いたい」と思わせる力
私が現場で感じることの一つに、「また会いたい」と自然に思えるアイドルには、
共通点があります。
それは
丁寧な挨拶ができる
特典会の一人ひとりを大切にしている
周りのスタッフやファンにきちんとお礼が言える
トラブルが起きても慌てず、配慮のある言動ができる
といった、人としての基本的な礼儀や優しさです。
こういったアイドルと出会った時、この人は人気が出るだろうなと直感的に感じます。
そして、実際にそうなることが多いです。
「カワイイ」は無限に供給される時代
今の時代、SNSや動画配信サービスを見れば、かわいい人は無限に存在します。
テレビやYouTube、TikTokを少し覗くだけでも、メジャーシーンの美しいアイドルたちの姿が簡単に目に入ります。
つまり、「カワイイ」というだけでは、もはや武器にはなりません。
外見ではなく、内面で勝負する時代になってきているのです。
逆に言えば、だからこそ“人間性”が差を生む時代です。
どんな言葉を使ってファンに接しているか
トラブルがあったときにどう振る舞うか
周囲の人への思いやりを行動に移せるか
そうしたひとつひとつの行動が、ファンの心に残り、「この人を応援していて良かった」
「次の現場も行きたい」と思わせる力になります。
「人」として魅力があることが最大の武器に
ファンが、推しを「人として素敵だな」と感じたとき、その気持ちはライブの余韻だけでなく、日常にも影響を与えます。
「今日も頑張ろう」と思えたり、「次のライブまでは仕事に全力」と思わせてくれたりする。
そんな存在は、もはや“アイドル”の枠を超えて、“人生の伴走者”とも言える存在になっていくのです。
だからこそ、挨拶やお礼、周囲への配慮といった基本が、どれだけ大切かを改めて感じます。
現場が楽しかったかどうかを左右するのは、パフォーマンスだけではありません。
むしろ、その前後での言動にこそ、「また行きたい」と思わせる要素が詰まっているのです。
おわりに 応援したくなる理由は“人柄”
ライブを終えた帰り道、ふとした瞬間に「また会いたいな」と思えるアイドルは、
間違いなく“人として魅力のある人”です。
歌が上手い、踊りがキレキレ、顔が好み
もちろんそれらも大事ですが、最終的には“その人自身”に魅力を感じられるかどうか。
それが、ファンを継続的に惹きつける理由になっているように思います。
かわいいだけでは生き残れない時代、ここからどのように変容していくか
楽しみにしながら日々現場に通い続けます。
今回も最後までご覧頂き、ありがとうございました。